
接地スリーブ・圧着工具 (Grounding Sleeves) 韓国電力(KEPCO)規格C型接地スリーブ(SGW 22〜325sq)のサイズ選定基準と油圧圧着ダイス(Dice)適合ガイド
電気設備の接地工事において、接続部の施工不良は将来的な接触抵抗の増大や地絡事故時の発熱・断線リスクに直結します。特に韓国電力(KEPCO)規格に準拠したC型接地スリーブ(SGWシリーズ)を使用する場合、幹線と分岐線の導体断面積(sq)に合致する正確なサイズ選定と、専用の油圧圧着ダイス(Dice)による適切な圧縮が不可欠です。
スリーブ番号と使用する油圧ダイスが1サイズでも異なると、圧着過不足が発生して十分な引抜強度と導電性を確保できません。本記事では、SGW 22sqから325sqまでの適合表、専用工具の選定基準、施工時のチェックポイントをわかりやすく解説します。
- 規格選定:本線(幹線)と分岐線の公称断面積(sq)の合計値および組み合わせに応じたSGW品番を選定
- 工具適合:スリーブ外径・形状に完全に合致する専用油圧ダイス(C型専用ダイス)を使用
- 施工管理:圧着後のダイス合わせ目(バリ)の確認と、規定の圧着回数・位置の厳守
C型接地スリーブ(SGW)の特徴と選定の基本
C型接地スリーブは、開放されたC字形状の断面を持つ高導電性銅合金製の圧縮スリーブです。直線接続用の筒型スリーブ(B型・P型)とは異なり、既設の幹線を切断することなく中間から分岐線を接続できる点が最大のメリットです。
KEPCO規格のSGWシリーズは、地下埋設環境やマンホール内などの過酷な環境下でも長期にわたり安定した導電性を維持できるよう、厳しい材料純度と引張・通電試験基準をクリアして製造されています。配電盤内部の接地に用いられる銅ブスバー加工・公差基準と同様に、接続材料の寸法精度が施工品質を大きく左右します。
接地スリーブの信頼性は、適切な材料選定と正確な油圧ダイスの密着圧着によって初めて担保されます。
KEPCO規格 C型接地スリーブ(SGW 22〜325sq)適合表

幹線(本線)と分岐線の導体サイズに応じた一般的なSGWスリーブ選定および適合ダイスの目安は以下の通りです。現場施工前には必ず設計図書およびメーカー仕様書を照合してください。
| 規格品番(例) | 幹線(本線)サイズ | 分岐線サイズ | 適合油圧ダイス呼称 | 推奨圧着回数 |
|---|---|---|---|---|
| SGW-22 | 22 sq | 22 sq / 14 sq | C-22 | 1回 |
| SGW-38 | 38 sq | 38 sq / 22 sq | C-38 | 1〜2回 |
| SGW-60 (70) | 60〜70 sq | 60 sq / 38 sq / 22 sq | C-60/70 | 2回 |
| SGW-100 (95) | 95〜100 sq | 100 sq / 60 sq / 38 sq | C-100 | 2回 |
| SGW-150 | 150 sq | 150 sq / 100 sq / 60 sq | C-150 | 2〜3回 |
| SGW-200 | 185〜200 sq | 200 sq / 150 sq / 100 sq | C-200 | 3回 |
| SGW-250 | 240〜250 sq | 250 sq / 185 sq / 150 sq | C-250 | 3回 |
| SGW-325 | 300〜325 sq | 325 sq / 250 sq / 185 sq | C-325 | 3〜4回 |
異径サイズの組み合わせ(例:幹線150sqに対して分岐38sqなど)では、スリーブ内部の空間に遊びが生じやすくなります。必要に応じて適合範囲内の専用スペーサーを併用するか、段差接続に対応した特定品番を選定してください。
油圧圧着工具とダイス選定における重要ルール
C型接地スリーブの圧着には、一般的な裸圧着端子用(六角・点圧着)ダイスではなく、C型スリーブ専用のリバースR形状ダイスを使用する必要があります。
スリーブの外周を均等に包み込み、C字の開口部を綺麗に巻き込みながら圧縮する専用ダイスを必ず使用します。
一般的にSGW 150sq以上の大径スリーブの圧着には、12トン(120kN)以上の出力を持つ油圧圧着ヘッドが必要です。
手動・電動油圧ポンプのリリーフ弁が作動(カチッと音が鳴る)するまで確実にストロークさせます。
接地系統の端末部で銅管端子と併用する場合は、銅管端子のトルク管理と締結順序の基準も合わせて確認し、電気的・機械的強度のバランスを確保してください。
現場で起きやすい施工不良と防止策

接地スリーブ圧着時の代表的な不具合とその対策をまとめました。施工後の外観検査チェックリストとして活用してください。
- 導体挿入深さの不足:幹線・分岐線がスリーブ全長にわたり均等に重なり合っているか確認する
- 過圧着・バリ(Flash)の発生:ダイスサイズが小さすぎると余剰銅が側面からはみ出し、亀裂の原因になる
- 被覆噛み込み:シースや絶縁体の剥ぎ取り長さを正しく管理し、導体素線のみをスリーブ内に収める
- 防食処理の漏れ:土中埋設部は自己融着テープや熱収縮チューブによる防水・防食絶縁処理を徹底する
よくある質問(FAQ)
六角圧着(Hexagonal)ダイスをC型スリーブの圧着に流用できますか?
流用できません。六角ダイスを使用するとスリーブの開口部が不均一に変形し、内部の導体が均一に圧縮されず引抜強度が著しく低下します。必ずメーカー指定のC型専用ダイスを使用してください。
被膜酸化が進んだ古い銅線に接地スリーブを圧着しても問題ありませんか?
酸化被膜(黒ずみ)は接触抵抗を増大させるため、圧着前にワイヤーブラシ等で素線表面を研磨し、金属光沢を出した状態で施工してください。
埋設用C型スリーブ圧着部の防水処理はどこまで必要ですか?
土壌環境による電食を防ぐため、圧着部および露出導体部をブチルゴム系自己融着テープで半重ね2回以上巻き、その上から保護ビニルテープを巻くか、防水レジンキット等で完全に密閉する必要があります。

