
銅管端子・圧着規格 (Copper Tube Terminals) 大容量ケーブル(12AWG〜750MCM)対応1穴・2穴銅管端子(Copper Tube Terminal)のスタッド径(M5〜M14)および被覆剥ぎ取り長(Strip Length)基準
受配電盤や大容量インバータ、蓄電システム(ESS)の配線現場において、適切な端子選定と端末処理はシステムの長期信頼性を左右する決定的な要素です。
大容量ケーブル(12AWG〜750MCM)に対応する銅管端子(Copper Tube Terminal)は、ケーブル導体断面積に合わせたバレル(筒部)の内径選定、M5〜M14のスタッド径に適合するボルト穴選定、そしてバレル深さに1〜2mmを加えた正確な被覆剥ぎ取り長(Strip Length)の管理が必須基準となります。
銅管端子の基本構造と1穴・2穴タイプの選定基準
銅管端子は高導電率の無酸素銅や電気銅パイプを成型して作られる圧着端子であり、振動や大電流による発熱負荷がかかる幹線接続に広く使用されます。
端子のパーム部(平坦な接続面)には、固定用ボルトを通すスタッド穴が設けられており、設置場所のスペースや要求される機械的保持力に応じて1穴(Single Hole)または2穴(Two Hole)を選択します。
-
1穴端子(Single Hole):盤内の狭小スペースや端子台など、取り付け幅に制限がある標準的な接続部で使用。
-
2穴端子(Two Hole):変圧器端子、大容量高導電率銅ブスバー接続、振動が発生する機器間接続において、締め付け時の端子共回りと緩みを防止するために採用。
大容量ケーブル(12AWG〜750MCM)対応規格・寸法対照表

導体サイズに応じた適切なスタッド径と、剥ぎ取り長さの設計値を把握することで、圧着ミスや接触不良を未然に防止できます。
|
ケーブル導体サイズ (AWG / MCM) |
公称断面積 (sq相当) |
推奨スタッド径 (Bolt Size) |
標準被覆剥ぎ取り長 (Strip Length / mm) |
推奨用途 |
|---|---|---|---|---|
|
12 AWG 〜 10 AWG |
3.5 〜 5.5 sq |
M5 / M6 |
10 〜 12 mm |
制御電源・盤内分岐回路 |
|
8 AWG 〜 6 AWG |
8 〜 14 sq |
M6 / M8 |
14 〜 16 mm |
小型インバータ・動力供給 |
|
4 AWG 〜 2 AWG |
22 〜 38 sq |
M8 / M10 |
18 〜 22 mm |
中容量動力盤・蓄電モジュール |
|
1/0 AWG 〜 4/0 AWG |
60 〜 100 sq |
M10 / M12 |
24 〜 30 mm |
主幹配線・PCS入出力部 |
|
250 MCM 〜 350 MCM |
125 〜 200 sq |
M12 / M14 (1穴/2穴) |
32 〜 38 mm |
大容量変圧器・受配電盤幹線 |
|
500 MCM 〜 750 MCM |
250 〜 400 sq |
M12 / M14 / M16 (2穴推奨) |
42 〜 52 mm |
特高受電設備・大容量特注ブスバー間 |
被覆剥ぎ取り長(Strip Length)の計算基準と施工手順
被覆剥ぎ取り長さが不足すると導体がバレルの奥まで届かず圧着強度が著しく低下し、逆に長すぎると導体の露出部が増加して絶縁離隔距離の不足や短絡事故の原因となります。
剥ぎ取り長さ(L)= バレル深さ(Barrel Depth) + (1mm 〜 2mm)
計算式で算出した余裕代(1〜2mm)は、圧着ダイスで押し潰された際にバレルが軸方向に伸びる寸法変化を吸収し、被覆との間に適切な逃げを確保するために必要です。
-
ケーブル絶縁体をストリッパーまたは専用カッターで芯線を傷つけずに直角に切断します。
-
銅管端子の点検窓(Inspection Hole)から導体の先端が完全に突き当たっていることを目視確認します。
-
規格に適合した油圧式または手動式圧着工具のダイスをセットし、規定圧力まで均一に加圧します。
-
圧着後のバリを除去し、必要に応じて端末部に熱収縮チューブを被せて絶縁処理を行います。
圧着不良を防ぐための施工チェックリスト

現場での品質管理を徹底するため、接続作業の前後に以下の項目を点検してください。
-
素線の断線や広がりがなく、全導体がバレル内に収まっているか
-
点検窓から導体の先端が到達していることが確認できるか
-
圧着ダイスのサイズ番号と端子刻印が完全に一致しているか
-
トルクレンチを用いて、スタッドボルト規定トルクで確実に締め付けられているか
-
パーム接続面に異物や油分、腐食皮膜が付着していないか
より詳細な異種金属接続や配電用スリーブの施工については、架空配線用アルミ分岐スリーブ圧着技術もあわせて確認することで、系統全体の接続信頼性をさらに高めることができます。
銅管端子の施工に関するよくある質問
点検窓(インスペクションホール)無しの銅管端子はどのような場合に使いますか?
屋外設備や腐食性ガスの多い環境、防水・防湿性が厳しく求められる環境では、水分の侵入を防ぐために点検窓の無いシールドタイプ(閉塞型)の端子が使用されます。
1穴端子を2穴用のブスバーに接続しても問題ありませんか?
接触面積が減少し、締め付け時の共回りや熱伸縮による緩みが発生しやすくなるため推奨されません。ブスバーのピッチに適合した2穴端子を使用するのが原則です。
圧着後のバレル部に隙間がある場合、そのまま使用できますか?
ダイスの選定ミスや加圧不足の可能性があるため使用できません。接触抵抗の増大による異常発熱の原因となるため、端子を切断して再施工する必要があります。

